スーパー方言漫才 千鳥10周年記念 スーパー千鳥スーパーパーティー(ルミネtheよしもと)

長年待ち続けていた千鳥の東京ライブ。ノブの声が割れていない! そしてツッコミが冴え渡っている! そんでもって白い靴のカカトがウンコ踏んだレベルで汚ねえ! と叫びたくなる漫才はどれも面白く、特にノブが「癖!」とツッコみ続けるかかあ天下の漫才は腸(はらわた)からシビれた。この世に千鳥より面白い漫才はあるけれど、千鳥より太い漫才はないのである。イベントは一本道を歩んできた千鳥の真摯さ、それを慕う仲間たちのファミリー感で満ち溢れていたのに、終始バカらしくて演者からも客からも涙が一滴もこばれないのがまた素敵だった。
個人的に嬉しかったのは、全身を白く塗りたくったネゴシックス中山功太らが白蛇に憑かれて踊り狂い、舞台中央で漫才しようとするダイアンとせめぎあう山陽方面の伝統芸能らしき芸を初めて生で見れたこと。このライブは「パーティー」でもなんでもなく、千鳥の土着的な空気を増幅させる「太古の祭祀」だ。
ところで終演後、隣席の見知らぬ女性から「もしかして鈴木さんですか? ブログ読んでますよ」と声をかけられる。祭りの余韻が残っていた私は、ここはひとつどぶろくを食らわせて薄暗い村の公民館に連れ込もうか・・・の思いが一瞬よぎるが、別に顔が知られているわけでもないのに何で俺と分かったのだろう? と考えると、先日の記述「23歳で童貞喪失」から推察したのではないかという疑念がむくむく湧いてきて、思わず別人のフリをしてしまう。「岡山の祭りは夜這いがあるのじゃあ」という岩井志麻子の言葉を信じて、今度はより性に開放的であることを願いながら、私は次の千鳥パーティーを待つ。