吉本道産展〜いいいネタ揃ってます〜(よしもとプリンスシアター)

仕事柄、「今、どのテレビ番組が面白いですか?」と聞かれることがあり、そのたび「テレビ・・・。最近見てないですねえ。あ、リモコンなくしてからここ2年はテレビつけてないかな?」ともはやテレビに見切りをつけた人間を演じてみるのだが、実際のところ、『ケンミンショー』を毎週録画して食い入るように視聴していることは否定できない。そんな県民性と方言に異常な欲望を覚える私ゆえ、思わず北海道芸人ライブに向かってしまう。
イベントは旧『マンスリーよしもと』の札幌吉本レビュー(文/安斉真)で5千回は名前を見かけつつも一度も姿を見たことがなかった笑ハンティングの上京にかこつけて、札幌吉本出身芸人&北海道出身芸人が集まる内容。ネタがどれも面白く、特にグリーンランドとチョーウルトラの漫才が光っていた。
しかしどうしたって見逃せないのが、すずらんのボケ・山本である。鋭い眼光を武器にぐいぐい前に出るわりに、結局ノープランがたたって表情でごまかそうとする鋼鉄のハートぶりに惹かれていたら、芸人仲間から「昔はふかわりょうを思わせるシュールな芸風だった」との証言が。なるほど。くりーむしちゅー・有田に代表される、引きの芸が一旦崩壊してからの押しの芸だからこんなにキレ味があるのか! と合点していると、笑ハンティング・たつみが「東京は人を変えてしまうんやな・・・」としみじみ一言。箴言である。
ただしその後、「銀座7丁目芸人で一番SEXがうまいと噂されてたのは、Bコース・ハブです!」と堂々語っていた北海道在住のモリマン(VTR出演)を見ると、東京で変わった人格は故郷に帰っても戻らないか、もともと下世話だった人格が上京しようがまた故郷に帰ろうがずっと変わらないだけなのか、全く漠として分からないのである。