クリスマスイブの夜にRGにオールナイトであるあるを聞かされる会(ヨシモト∞ホール)

一度カラオケボックスで「RGにカラオケを聞かされる会」を経験していたため、似た系統のライブに夜を徹して行く必要あるかな〜と逡巡していたら、まさかの、本当にまさかの前売り券完売。そんな非常事態にRG史編纂委員(非公認)の血が疼き、イリーガルな手を尽くして会場に入れてもらう。
満員の∞ホールはライブが始まった0時から異様なテンションに包まれ、RG扮する市川AB蔵が登場するや嬌声が鳴り響き、「お〜い!」(RG)「お茶!!」(客)、「灰皿にー!」(RG)「テキーラ!!!」(客)と練習もないのに完璧なコール&レスポンスが炸裂。その後、得意のF1グランプリのテーマ、女子十二楽房のモノマネをラッシュすると、やることなすこと全てがウケるウケる。「逆流に立ち向かい、結局流されていくRG」の姿を愛する私は、客席がしんなりした空気になるまで、午前4時まで待たなければいけなかった。
しかし眠気と疲労で客の笑いも散漫になった頃、「赤いタンバリン」にのせた「長州力あるある」、「Get and Wild」にのせた「ケンタロウあるある」が奇跡的な完成度で、一度は手放しかけた爆笑をRGは再びたたき出していた。おかしい。RGを追ってきた私からすれば、こんな長時間ウケ続けるはずがないのである。何かの予兆を感じながら、朝の5時を迎えて会場を後にする。

それから2日後。私はM-1をスタジオで生観覧する機会に恵まれた。すると前説のどりあんずが拍手と声出しで客席を相当温めた後、ダメ押しで笑いを取るパフォーマーとしてRGが出現したのだ。前々日、おそらく生涯最大の支持率を獲得したRGは、例のAB蔵姿で「おーい!」と客席に促すや、「お茶〜」とぬるい声が会場の約3割から返ってくる。
「灰皿に〜!」「テキーラ〜」(会場の5%程度が反応)
「外に出るのは〜!」「やめなさい」(私だけがとカヒミ・カリイのようなウイスパーボイスで反応)
その後、「M-1あるある」を封印して披露したF-1グランプリのモノマネは、この日のために「ほどほど」という言葉を覚えたのかと思いたくなるほど、ほどほどのウケ具合で、もう一人のパフォーマーであるくまだまさしに後を託してRGは消えていった。あの∞ホールの異常な盛り上がりは、この舞台での失敗を導くための罠だったとしか思えないのである。
ちなみにオールナイトイベントで一番笑ったのは、アンケートで客席から募った紅白歌合戦あるある「由紀さおり安田祥子を見ながら3Pを妄想しがち」です。