中川家の特大寄席2011(ルミネtheよしもと)

ある時は客を、そして今回は客演のとろサーモン村田を置き去りにして、ウケようがウケまいがひたすら自分のやりたいスケッチを二人が続けるように見えながら、もっと凝視すると時には弟の礼二を置き去りにしてウケようがウケまいが兄の剛がやりたいスケッチをひたすら展開する、そんな中川家のコントが胸焼けするほど堪能できるライブ。エンディングで披露した、剛発案の「バイトを辞めにいく様子」コントは、どこが面白いのか他人には説明できないけれど、絶品であることは確かだった。舞台で「免許の違反者講習会に参加したトラック運転手が、いきなり落語「初天神」を始めて5分ほどやりきる」というマッドマックス級の悪暴走していた礼二さえが却下したのも頷ける話だ。
なお幕間の映像で登場した東野幸治中川家の結成19周年に「おめでとう。僕は中川家のファンです。何年先も君らの漫才を見ていたい。だからひとつだけアドバイスする。メッセンジャーの黒田とは遊ぶな! 暴力ふるヤツと仲良くする時代は終わったんや」と、収録は例の引退発表よりも前のはずなのに、図らずも時代と真正面からシンクロするコメントを残していた。そして中川家のコントを挟んで、次なるメッセージ映像には噂の黒田が登場。会場が当惑の笑いに包まれる中、「われわれスタッフが一所懸命探しましたよ。そしたらね、見つかったんです」という声が私の耳の中で鳴っていた。