ケンコバと杉作(イイノホール)

イイノホールは東京の中心にある霞ヶ関日比谷公園を見下ろす、好立地の劇場だ。創業110年を誇る飯野海運が「文化や芸術をはじめ、あらゆる知的活動を愛する人のために役立つ存在になりたい」という趣旨のもと運営しており、伝統芸能や講演会などが開催されている。
そんな由緒正しく、格式高い、清廉で厳粛で優雅なイイノホールの舞台に置いたコタツを囲んで、ケンドーコバヤシと杉作J太郎が笛裸と燻煮について語りつくす二時間。もちろんそれ以外に話題も多々あったはずが、振り返れば「笛裸の時はいつ肉棒を噛み切られてもおかしくない状態だから、脳天唐竹割りをぶちこむ準備をしている」「モラル的に許されるのであれば、笛裸をしてくれる女子の親御さんに手紙を書きたい」「箇所を直接舐めるのではなく、股間の熱を感じることが新しい燻煮の定義」「銀行の頭取が燻煮を嫌いなわけがない」などなど、その手の話題しか思い出せない。そして終演一〇分前、広島の仕事へ移動しなければいけないという理由で、さんざん変態プレイで燃えた後にシーツを汚したままの状態でそそくさと立ち去るJ。ガラス張りの壁から日比谷公園を見下ろすと、紅葉の中を赤いダウンジャケットのJが走り去る姿が見えた。ような気がした。
舞台がはねると、燻煮の話を浴びるほど聞いた影響か、同行したTスポM本さんに「銀座にできた広島アンテナショップの中にオイスターバーあるらしいんで、生牡蠣食べに行きません?」と誘われる。