あたし達の住んでいる街には/イムジン川が流れていて

初めて岡崎京子リバーズ・エッジ』を読む。なんとなく敬遠してここまで来たが、読んでみたら面白すぎて降参。
それと並行して中上健次枯木灘』も。これもよく考えたら舞台はリバーズ・エッジだ。川の上流では地縁の重力に押しつぶされた者が、下流では重力を感じられない者が、焼けつくような冷たい呼吸をして生活を送る。
そうやって川の源と出口が物語を生み出している頃、川の中流では井上陽水が『リバーサイドホテル』のようなどうでもいい表現を生みだしているのであろう。