書籍

勝間和代先生に書いていただきたい『私小説で年収10倍UP術』

西村賢太の新しい私小説集『瘡瘢旅行』が出ているのに今頃気づいてあわてて読んだ。一番最初に出した『どうで死ぬ身の一踊り』から5冊目を数えるが、どの話も人間の屑の主人公が女に食わせてもらって、暴力ふるって、反省したり反省したフリしてソープ行った…

レイチェル・ウォレスをmixiの同級生機能で探せ

ロバート・B・パーカーが亡くなった。テレビとマンガとネットで日々を送る皆々様にはなじみの薄い、アメリカのハードボイルド作家である。私は代表作『初秋』を読んで人生を学んだ。というのはカッコつけた記憶の増幅で、固有名詞がよく分からない料理の描写…

この味がいいねと君が言ったから7月6日はダライ・ラマの誕生日

昔、伊集院光のラジオでやっていた「電波歌」コーナーの投稿。 「フグリにろう石で「LOVE」と書いては洗う そんな愛情表現だけでお湯が沸いたらいいな」 「伊達巻くわえてマフィアを気取り上司の昆布茶を乳首ですする そんなプリクラ街中に貼って花嫁募集し…

週刊現代の内容が3時間で分かる情報誌

ダカーポ休刊号が発売し、26年の歴史に幕を閉じた。僕の故郷の村がダムに沈んだ。 無職だった僕がダカーポに拾われてライターになったのは26歳の冬。そうして2001年からの3年間、用があろうがなかろうがほとんど毎日編集部と昼夜無料の社食に通った。ダカー…

藤木源之助のちぎれた腕の下からサイコガンが……

残虐時代劇マンガの『シグルイ』を読んでたら、どう見ても『コージ宛』にしか見えないコマが出てきた。この後にムジナとか登場したら、嫌だなと思う。 ところで今月号の『マンスリーよしもと』の21Pに掲載されているチーモンチョーチュウ・菊地のコラムは必…

ちびマル子C

配達で読んでいる東京新聞で7月から「ちびまる子ちゃん」の連載が始まった。七夕の日、お父さんがまる子相手に「ひこぼしなんて気楽さ。ヨメの顔なんて1年に1度で十分!」と暴走していたら、お母さんがそれを聞いていて二人がドキッ!(完)……という話を見た…

辻仁成が著した極貧小説『部屋に霜・冷や飯も』

「高円寺在住の奥田民生に憧れる無職(推定42才)かと思ったよ。 http://book.asahi.com/clip/TKY200704260234.html

陸上競技で乳酸をためた牛乳屋とハムをいためた肉屋

佐藤多佳子『一瞬の風になれ』を読む。物語は3巻の途中でゴールしてしまって、残りは余韻で走ってる。気恥ずかしくなるような真っ直ぐな風に押されて、胸の鼓動が高まりながらゴールへと向かうあの感じ、『スラムダンク』と同じ風が吹いていた。キラキラしす…

上がっておいでよノルマンディー

私が注釈を書いた『暴いておやりよドルバッキー』。今日の昼、大槻ケンヂ氏が渋谷のブックファーストでサイン会を行うらしい。 そこで私も同時刻に神田界隈のゼロファーストでサイン会を敢行します! 手形、小切手、その他有価証券を持ってきてくれたら内容…

『カンブリア宮殿』の観客が模範囚100人

さいとう・たかを先生がゲストの『カンブリア宮殿』を見る。密着VTRの内容は『情熱大陸』と9割5分方同じ。事務所の新年会にカメラが潜入して水島新司先生、永井豪先生、ニコニコヒッピーくん(秋元治先生)がコメントするのと寸分変わらないシーンを見た気が…

失われ田町

某誌の企画であまねく存在する農業雑誌について、その特徴および傾向を紹介する記事を書いている。 どれも面白くて困るのだが、養豚業界誌『PIG JOURNAL』今月号の表紙は最高だ。この尻のフォルムの美しさはなんだろう。一言添えるならば「資生堂TSUBAKIの新…

風が強く吹いて、桶屋が激しく儲かる

恥ずかしながら私は青春小説が好きだ。ジョギングもたしなむ。三浦しをんの『私が語りはじめた彼は』も面白かった。だから箱根駅伝を舞台にした彼女の新刊『風が強く吹いている』は期待を寄せた。そしてさきほど読み終えた冊子を卓袱台の上にのせてローリン…

夜王を倒した夜回り先生は、教鞭を置いて去っていった(完)

原作・水谷修、画・土田世紀のマンガ『夜回り先生』を読む。夜回り先生が伝えたいことと土田の表現のレンジが1ナノの狂いもなく合致していて、まるで小西康陽が野宮真貴のために作った楽曲のよう。夜回り先生が先か土田世紀が先か。夜回り先が先生か土田先が…

格差社会が進み、プレミアムホッピーしか飲まないエリートが出現

大竹聡『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』(酒とつまみ社)を読む。中央線の各駅付近でホッピーを飲める店を探して東京から高尾まで向かう『酒とつまみ』の好評企画を押し倒すような強引さで書籍化した単行本。ボーナストラックとして高尾から京王線…

「そこのベルカという猫、吠えないのか?」「ニャー」

次回の直木賞候補の面子がすごいことになっている。 伊坂幸太郎・荻原浩・恩田陸・恒川光太郎・東野圭吾・姫野カオルコ 恒川光太郎以外は「あれ?まだ直木賞獲ってなかったの?」と思わせる錚々たる顔ぶれ。ゴールしたように見せかけてほとんど誰も完全制覇…

短波放送はオリエンタルなラジオ

現在、発売中の『QJ』はラジオ特集。その中で異彩を放つのは佐野元春インタビューで、珠玉の言葉が滾々と湧いている。 「ラジオというメディアの一番の特質は、ワン・トゥ・ワンのコミュニケーション」「ランニング・オーダーはひとつのサイエンス」「僕はオ…

アマゾンの1-Clickを押すと、遠い島で核ミサイルが1機発射

横田増生『アマゾン・ドット・コムの光と影』を読む。元業界記者がアマゾンの物流センターにアルバイトとして潜り込み、完全秘密主義のアマゾンの実態を探るルポルタージュ。 といっても最終的にはアマゾン・ジャパンの正確な年間売上も、送料無料の仕組みも…

リリーくんのトレーナー胸部プリントをよく見たら、Lの字ではなくてノギス

これは”中川雅也”の作品だと思った。リリー・フランキー『東京タワー』を読んでの感想。 この長編の雛形的作品がエッセイ集『美女と野球』収録の「オカンがガンになった1・2」(97・98年)である。ここで語られるのは、2年前、突然東京にやって来たリリー…

フランスの街娼に向かって「愛をください」

辻仁成ウォッチャーである私の元に興味深いニュースが届く。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000006-flix-ent 文化の橋を渡しているのである。覚書に乗っ取っているのである。ちょっと目を離しているうちに、辻先生は異国にジェントル・ラン…

曙のK-1初勝利になぜか「感動した!」と涙ぐむ反・小泉派

魚住昭の労作『野中広務 差別と権力』を読む。 本文では野中が世話になった田中角栄の生い立ちも振り返っていて、それによれば戦時中に角栄は土建会社を設立。巨額の金を手に入れた。そして、 『田中の政界入りのきっかけをつくったのは田中土建の顧問をして…

キングカズ自伝『こんな夜更けに「バボラ!」かよ』

遅ればせながら大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞を果たした渡辺一史『こんな夜更けにバナナかよ』(北海道新聞社)を読む。筋ジストロフィの重度身体障害者とボランティアの日々にふれたノンフィクションは、四つの意味で…

Yoshiの由来は”義治”などではなく”留吉”の”吉”が由来

本日の『ガイアの夜明け』で取り上げられたのは出版業界。そこには芥川・直木賞当日にトークショーを開催する、『Deep Love』の作者・Yoshiの姿が。ボリュームある茶髪&砂鉄ヒゲという持田香織以外のELTメンバーみたいなオーラーを発しながら、彼は語る…

大下英治戦隊・データマン

手塚治虫『火の鳥』における画風の違いが気になっていたところ、「夏目房之介の本に詳しい」と助言をもらう。 ということで借りてきました、大下英治『手塚治虫 ロマン大宇宙』を。もう一行目からすごい。 ”手塚治虫は、昭和三年十一月三日、大阪府豊中市に…

火の鳥・筑豊編

普通に質問を。手塚治虫先生『火の鳥』の太陽編の後半と異形編、絵のタッチが違うように見えるのは気のせい? 重松清がゴーストライターでもしてたの? 誰か知ってたら教えてください。

座薬がないので尻に弾丸を挿入したら人類初飛行が実現

自動小銃AK47をめぐるアフリカの事件を追った、松本仁一『カラシニコフ』を読む。傑作。同書はいわゆるルポルタージュとして扱われるべき本なのだろう。だが私の中で松本仁一は町山智浩と並んで、ほとんど完全体に近い形をしたコラムニストである。 ビート…

刑務所のレクリエーションで「バスケがしたいです」

仕事が片付く。読書に励む。人から借りた井上雄彦『リアル』を読む。 おそらくほとんどの人は井上雄彦=『カメレオンジェイル』と思っているだろうけど、これ滅茶苦茶面白いよ! 今までマンガは青木雄二と福本伸行の作品しか読んだことがない私にとって、こ…

サンボの指南書『USSRカニバサミ』

年末のゆらゆら帝国ライブにどうしても行きたくて、リキッドルームの店頭発売に朝から並んでみる。 バンド愛聴歴が短いため、チケットを求めるのは痩せぎすで髪ボサボサのカラーパンツを履いた坂本慎太郎的世界観=カリカ家城みたいな人たちばかりと勝手に想…

塀の中に埋められた懲りない面々

安部譲二『日本怪死人列伝』を読む。 戦後の日本史において迷宮入りになった12の怪死事件に、我らがジョージ・A・ベッシュが迫る内容。しかし証拠や証言を積み重ねて真相に肉薄する堅実きわまりない手法をジョージが使うはずもなく、ほとんど取材しないわが…

ズッコケ三人組がコシノ三姉妹で映画化決定

まだ続いていたとは。そして完結を迎えるとは。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041130i506.htm なんだかんだ言っても私の読書原体験としてすぐに思い浮かぶ書籍である。小学校の図書室で『ズッコケ三人組』と舟崎克彦の『ぽっぺん先生』、それに…

ホムンクルスの視力検査はランドルト環がカープのマークに

ずっと部屋にこもっていた仕事が落ち着いたので、鈍った体に喝を入れるため太陽の下で汗を流そう! とマンガ喫茶に8時間。 『のだめカンタービレ』読破!『BECKカンタービレ』読破! 『まんが道カンタービレ』読破!(”カンタービレ”は音楽用語。岡山弁で”す…