この味がいいねと君が言ったから7月6日はダライ・ラマの誕生日

komecheese2009-04-23

昔、伊集院光のラジオでやっていた「電波歌」コーナーの投稿。
フグリにろう石で「LOVE」と書いては洗う
そんな愛情表現だけでお湯が沸いたらいいな」
「伊達巻くわえてマフィアを気取り上司の昆布茶を乳首ですする
そんなプリクラ街中に貼って花嫁募集している虚無僧」
はたまたTBSラジオ『ケンドーコバヤシのテメオコ』のコーナー「ケンコバランド」。
「こめかみの右ネジと左ネジの相性が悪いらしく
ギチギチと軋みながら回転して痛い。
それらのギチギチの中でたくさんの発見をした人らしいのだが
歯車の作用でスライスされるシイタケたちが痛がって
街頭の下まで逃げていくのを回収するのがケンコバさんなのです」
深夜ラジオには脳の捩れた回路から放出される酩酊の言葉たちがはびこっている。
そして歌人・笹井宏之の歌も同じ臭いがした。
「頚椎へ釘打つ職人コンゴ地区優勝候補全員逮捕」
「はさみで切って使いきられたねりからしチューブみたいな俺を愛せ」
「内臓のひとつが桃であることのかなしみ抱いて一夜を明かす」
「スライスチーズ、スライスチーズになる前の話をぼくにきかせておくれ」
短歌に全く興味のなかった私すらを振り向かせる強烈な31音。
投稿と笹井の短歌を並べるとセンテンスは似ているが、笹井の歌が高原の涼しい朝に流れる澄んだFM放送なら、投稿群はハングル語の雑音でほとんど聞き取れない日本海沿岸の深夜放送ぐらいの違いはある。どちらの放送もボンクラ社製の受信機がなければその電波は届かないだろうけど。

笹井宏之、今年1月に急逝。享年26歳。合掌。