ちびマル子C

配達で読んでいる東京新聞で7月から「ちびまる子ちゃん」の連載が始まった。七夕の日、お父さんがまる子相手に「ひこぼしなんて気楽さ。ヨメの顔なんて1年に1度で十分!」と暴走していたら、お母さんがそれを聞いていて二人がドキッ!(完)……という話を見た時は「なにこれ。『フクちゃん』ですか?」と配達員が運転するカブの後ろに飛び乗って詰問したものだが、最近では登場人物が嘆息する脱力系のオチにほぼ一定。安心して読めるようになった。朝日新聞のいしいひさいちから学べるように新聞4コマに求められるのは脂っこい仕掛けではない。ただそこに存在することなのである。
それでもひとつ気になって仕方ないのが、4コマの下にいつも掲載されている「(C)さくらプロダクション」の表記。それ以上の記載は何もないけれど、そのたった一行が「このキャラクターはみんなものではなくてさくらプロダクションのものですよー。勘違いしないようにねー。勝手に盆踊りのポスターにクソ汚ねえ模写をクレヨンはおろかクーピーで書いたりなんかしちゃダメ、ダメ、ダメだからー!」とでも言いたげな牽制のメッセージを脳内に立ち上がらせて、上のほのぼの4コマが急にキャラクター資産の運用・投機に見えてくるのである。もしかしてマスコミに姿を現さないさくら先生は実のところ存在せず、虫プロが管理する手塚先生の姿さながら、我々は逃げ水を追っているだけなのかもしれない。
そんなことを考えていたら、最近になって4コマの下から「(C)さくらプロダクション」の表記が消え、代わりに東京新聞が一枚噛む「ムンク展」の小さな横長広告が載るようになった。これはこれでそんな訳ないのに「マンガ下の広告出稿スペースの権益は同プロダクションに属する」なる契約が交わされているように見えるのは私だけでしょうか。試しにカリビアンコムは「超過激エロエロライブチャット」と銘打たれたバナー広告の掲載を打診してみてください。