大人計画破綻により再生機構が緊急介入

図書館にフライングキッズのアルバムが置いてあったので借りる。帰ってケースから取り出すと、館員が何をどうしたのか『古今亭志ん生ベストコレクション/お初徳兵衛・風呂敷』が出てきた。
フロシキとフライングキッズを聞き間違えたのか、フラがあるからフライングキッズなのか、「幸せであるように」と「アンコウのようなもの」を一緒くたにしたのか。最後全然うまくねえよ。
解説書に目を通すと録音は昭和33年。昭和35年に病で倒れてからの志ん生落語は歴然と質が落ちた、と立川志らくは語る。つまりこれは”志ん生35年線”をまたぐ前の作品というわけだ。

知人から借りた98年のジョビジョバライブ『サマーツアー』を見る。誰も信じないだろうが、これが滅法面白いのである。パンチが多彩でどこから拳が飛んでくるか分からない笑い。そこにあるのは『ごっつええ感じ』のパラダイムに頼らない秀逸なコント群だった。
私の記憶では2000年頃、ジョビジョバは”志ん生35年線”を渡った。

演劇ファンが集うwebサイト「えんげきのぺーじ」一行レビューを閲覧していると、大人計画の新作「イケニエの人」の悪評がかってない猛威をさらしている。当初は既存の演劇ファンが、俳優が見られればそれで満足する感性のTVで食いついた客に苛立っているのかと思ったら、どうもそれだけではなさそうだ。
大人計画もラインを越えたのだろうか?
もしかするとすでに我々は高座で眠る志ん生を眺めているのかもしれない。