歌うたいのバラッド。物もらいのパレード

斉藤和義の弾き語りライブ「十二月」に行く。アンコールで斉藤和義は両肩に髑髏をあしらった着流しに身を包んで登場。
着物にアコギという組み合わせに違和感を覚えないのは”色物”の功績が大きいのだろう。もちろん私が思い浮かべるのは波田陽区ではなく、カブキロックス玉川カルテットといった偉大なる先人だ。奥田民生も作務衣姿でギターをかき鳴らすが、あれも「一人ごっつ」の松本人志に影響を受けた結果と聞く。
そういえば最近『サンデーモーニング』で鼻歌を歌いながらスタジオ入りする大沢親分も、いっそのことギターを携えて登場すればよい。『デスペラード』のように武器をしこんで、「喝!」をくわえると同時に乱射。関口宏に命中すればミニパジェロぐらいはもらえるかもしれない。
そんなことを思いながらステージに目を戻せば、「最近ネットを始めてエロ画像のダウンロードも覚えました!」とMCを挟んだ斉藤和義は稀代のエロソング『君の顔が好きだ』を熱唱していた。”色物”ではなくただの”色好きの者”である。