『生活笑百科』で上沼恵美子の偽証罪について討論

芸人はテレビより生で見た方が確実に面白いはずなのだが、『ゲンセキ』のコンマニセンチだけは異質だ。そのしつこさに劇場では2分も見れば胃がもたれていたのに、同番組では「もうネタ終わるの?」と一抹の寂しさすら覚える。メディアを通して一度加熱処理されて見やすくなっているとはいえ、まさかこんな感情を抱くなんて。
思わずビデオを見返すたび、私はナンシー関が処女エッセイ集「何様のつもり」で触れた”お笑いウルトラクイズダチョウ倶楽部の関係”を思い出さずにはいられない。ナンシー説くに、当時のダチョウが『お笑いウルトラクイズ』だけで最高の力を発揮したのはビートたけしがいたから。その頃お笑い界において圧倒的求心力を誇っていたたけしは、ダチョウのリアクション芸に「くだらねえ」を連発しながら大爆笑。喜んだダチョウは調子に乗る→実力以上のおもしろさ→たけし笑う→さらに調子に乗る……という循環構造を指摘していたのだった。
全遺伝子の伝える情報が”お調子者”しかないようなコンマニセンチも、同様のスパイラルに上手く身を乗せている気がする。ただしダチョウの起爆剤になった「たけしの笑い声」は、コンマニセンチの場合、「木梨の苦笑」ではなく「テレビに出てること」という素人のような興奮に違いない。ロケット花火程度の火薬含有量で、本気で空を飛ぼうとしているコンマニセンチ。もしかしたら本当に飛んでしまうかも。着地点は全く見えないけれど。
ところでNHK土曜昼間の『生活笑百科』でランディーズが法律相談用の漫才をしていた。いい意味でも悪い意味でも完璧な舞台(いい意味比20:悪い意味比80)。師匠クラスの太い声や掛け合いよりも、中川の太すぎるネクタイの結び目が目に焼きついて離れない。あと白いスーツ姿も。