やりすぎ久保田ヨージー(from東南西北)

それまで道先が定まらなかった団体に、一人の天才が忽然と現れ、進むべき道を導いてしまうことがある。昔の「PRIDE」は総合格闘技を志向しながらも、UWF系ほど試合はスリリングではなく、プロレスファンも扱いに困る団体だった。しかしそこに桜庭和志が誕生。その天賦の才能を惜しみなく繰り出すことで、ファンはリアルファイトのカタルシスを知り、方向性を開眼した「PRIDE」は隆盛を誇ることになる。
そして今、私が”奇跡的に舞い下りたメシア”の眼差しを向ける男こそ、とろサーモン・久保田だ。この男が『やりすぎコージー』において、リングサイドで時には何の脈絡もない状況で、おさわりパブのリングアナとして現れ、「エロ大国にスケベ女が乱舞する……ファイヤー!」「視聴者のみなさんにモッコリビームが届きますように」「ベストを尽くしてお客のあそこをアスベスト!」とグラビアアイドルをあおるたび、この番組がこれまで隠していた「低俗番組」の核があらわになっていく。杉作J太郎が裸になろうと、AV女優が総出演しようと「ディープなお笑い番組」の一枚皮は剥がれなかったのに、久保田が一声発するたびベロンベロンと音を立てて果肉がむき出しに。よく考えたらテレビ東京・土曜深夜は『ギルガメッシュナイト』を放送していた時間帯。神谷町上空を浮遊して成仏できなかったエロの霊が、久保田一点に目がけて吸い込まれていくようだ。くしくも「芸人格闘王」を放送したこの日、水玉れっぷう隊が出演したのは『おとなのえほん』残党が死に場所を求めてやって来たのではないか。そのうち今田耕司が大橋未歩アナにハケ水車を強要することを願ってます。