大日本人・中国人・小人

先日『大日本人』を見た。結構面白かった。そんな当たり障りのない感想を抱いたまま日々を送っていたら、とあるサイトで『SmaSTATION』における松本人志のコメントを知って衝撃を受ける。
http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/20070607
目が釘付けになったのは「ホントのこというと俺は出演はしたくなかったから……。映画監督だけをやってみたかった。それを吉本に言うと、それではさすがに金は出されへんって。そこはすごいシビアな大人の話で……」の一点。なんで気がつかなかったのだろう。あの映画、主人公が松本ではなくて全然知らないオッサンだったら、これはもう壮絶に面白かったじゃないか。
私は別に訳知り顔で映画の評価を下したいわけではない。お笑いという無理を通して全ての道理を引っ込めてきた天才・松本が”事情”を飲み込んだ現実に改めて驚いているのだ。まるでヤクルトの古田が営業面の都合で不本意ながら先発のマスクをかぶって、4盗塁も決められたけど試合は勝ったみたいな。なんで唐突に古田のたとえなんか出したんだろう。そうだ同じ監督だからだ。二人とも兵庫出身だし。お笑いの世界で松本も2000本安打打ってるし。古田のレフトスタンドぎりぎりに入るホームランなんて、なんというか非常にごっつええ感じだし。もういいですか。
結論。『大日本人』の中には『日本の大人』がいた。