サンミュージック GETライブ(しもきた空間リバティ)

通常の事務所ライブは若手が登場する前半さほど盛り上がらないものなのに、サンミュージックの名誉監督・ぶっちゃあさんの目が行き届いてるのか、ぽ〜くちょっぷ、フィフティーカーニバル、ワンツーギャンゴなど、冒頭から結構しっかりしてるネタが続く。そして普通の事務所ライブであれば中盤以降は手堅く盛り上がっていくはずなのに、GETライブでは一度キャラクターがはねた芸人が客席の反応はともかく、本気で方向性を模索してる姿が見どころだった。
「髭島三郎」なる演歌キャラで勝負しようとする髭男爵(ゴールしてウイニングラン中)、浴衣をはだけさせながら「おまえさん」と客に訴える小島よしお(ゴールしてから地球半周)、照明に合図して最後の暗転の瞬間に「ゲッツ!」を披露する、心憎いまでにフィニッシュホールドの使い方を心得たダンディ坂野(ゴールしてから地球何周目という問題ではなく、実は世間が勝手に動いていただけという天動説を採用)・・・。この他にも存在証明と言っていい黒人差別ネタを躊躇している西麻布ヒルズ、ボケとツッコミの境界線が危うくなっている三拍子など、そこかしこに悩みがちらつく中、ハルク・ホーガンばりのマッチョポーズから「ケンキ元気!」の挨拶をぶちかます元どーよのケンキは、客に自家製ストラップをふるまって全てからふっきれていた。
なりふり構わない行動ができるベテランは素晴らしいな〜、と思ったらケンキの出番は超若手に混じって最初から3番目。元気にもほどがある。