カリカコント4(ルミネtheよしもと)

最初のコント「ファイトのファ」が、人を笑わせた経験もない小劇団が見様見真似で作った不条理芝居さながらの出来でいきなり不安に襲われる。しかしそれ以降は「カリカコント3」の勢いを持続したままのカリカお家芸である2人6役コント「サッカー部試合中のベンチ」や、カリカ株が某芸能人に買い占められる設定のロングコント「カリカを取り戻せ」などで、その才気と家城の天パ具合を見せつけた。どこかにたどり着くようでどこにも到着しないオチや、幕間の選曲・郷ひろみメドレーも秀逸。
またこの日は家城が「たまに発する言葉がヒットマンのように面白いからこの世界に誘った」と語る林が、テンションが上がったついでに無意識のオカマ口調で叫んだり、アドリブの一言が家城を呼吸困難に追い込んだりと絶好調。ペーパーナイフで人をめった刺しにする如き、控えめな狂気が満開に。そしてエンディングでは本公演の作・演出を担当した三瓶が登場し、手をつないだ三人の万歳で閉幕した。これからのシュールポップの命運は、三瓶の丸い肩にかかっている。