第16回・無限落語(お江戸日本橋亭)

新作落語の会は柳家喬太郎の登場で大入り満員に。主宰の三遊亭円丈は自分で作ったネタおろしのルールを「時間がなかったから昔のネタ「あんたのせい家族」をやる」と堂々と無視し、噺の順番もあやしく、サゲは忘れたのか作ってなかったのか実にいい加減。それでも面白いんだからすごかった。笑ったところの記憶をたどると「要所要所で年齢に不相応なデカい声を張り上げていた」ぐらいなのに。
そしてこの日、円丈の五番弟子・三遊亭亜郎は三国志をモチーフにした落語の中に全然脈絡なく、しかもやけにうまいミュージカルをぶちこんでいたので、気になって円丈の手作りサイトを確認すると、劇団四季に10年在籍していたらしい。とりあえずデカい声を出すことにおいて、円丈の血を着実に継いでいるのだろう。
そう考えると『あらびき団』が生んだ哺乳類界のスター・パンダーズは同じ円丈一門でも(非メガネの方だけ)、大きな声を発しないからイズムを感じないのである。それにしてもパンダーズは最高。さっき番組見たら営業で宇都宮動物園の檻の中に入ってゴロゴロ転がっていた。これまた円丈の弟子・三遊亭白鳥がこないだ多摩動物園で落語会を開いていたのもただの偶然だろうか? 円丈は声を張っているのではなく、ただ野性に返って咆哮しているだけなのかもしれない。