肉糞華劇団〜コサジ一杯の鳥の中身〜(神保町花月)

肉糞亭スポーツ師匠(野性爆弾・川島)率いる肉糞亭一門によるお芝居は、冒頭で提示される「死体を埋める村」という設定から、「スポーツ師匠=宇宙」の結末に至るまでの1時間20分、どんな筋なのかほとんど理解できない、糞味噌が発酵したように狂っていて面白い舞台。終盤も終盤、肌着のブリーフ一枚&乳首にニプレスでカモノハシを演じる肉糞亭カウパー(Bコース・ハブ)が、肉糞亭N.スターダスト(カナリア・安達)扮する雉神の股間を嘴で入念に啄ばむシーンがあって、そこで女性客が一人、遅れて入場していた。彼女は会場に立ち込めるスモーク越しにあの光景を見て何を感じたのだろう。もし「今までどんな展開だったの?」と聞かれても、私は「さあ?」以外の答えが見つからない。
なおこの日、やりたい放題の世界観以上に客席が戦慄したのは、日替わりゲストで和尚を演じた肉糞亭ゴミ食い(雨上がり決死隊・蛍原)の絵のヘタさ。ムリヤリ描かされた鶏の絵は、生命体として大事な要素が全部破綻していて、客席から「ゲーッ」という声まで漏れていた。ただしTBSの深夜ラジオ『べしゃりブリンッ!』の1コーナー「やさしくなりたい」における蛍原の無茶苦茶さは、肉糞亭スポーツ師匠と遜色なかったりする。