シソンヌ単独ライブ 「ジュテ 〜片足で踏み切って跳び他の足で下りるパ〜」(北沢タウンホール)

前回、衝撃を覚えたシソンヌの単独へ。立ち見なので北沢タウンホール後方の吹きだまり空間に案内されたら、まあ芸人がいるわいるわ。今からこの場でシアターDで21時から始まる「漫才広場」が行われるのかと思った。
さて単独ライブ中、その芸人たちがとても大きな声で笑っていたのである。大体観覧の芸人が大声で笑うのは、マニアックな話題(おもにプロレスとパチンコと売れない同期芸人について)、もしくは舞台上で仲間が窮地に立たされ、それを鉄のハートで突破しようとして躓いた状況ぐらいかと思っていたら、この日はじろうの演技力に対して身内ががどよめいていた。ケータイを見失って発狂しかける会社員、言動があぶなすぎてもはや国籍すら分からない買い物客、バナナ社CEOスケーベ・ジョブズ、パンツ一枚で踊り狂う蘇民祭スタイル男、そして熟女。などなどなど。演技派の森山未来が「下品すぎる」と断った役も全部こなせそうな達者さで、でも最後は「気持ち悪いなコイツ」という感慨だけが残る怪演だった。
そんな単独終了後に下北沢を歩いていると、劇場から出てくるシソンヌを見かけた。完全燃焼して、解脱したような表情のじろう。その近くで関係者とおしゃべりしているシソンヌのお洒落担当・長谷川は、Right-onやHoneysぐらいしか認識できない私を確実に威圧してくる、オシャレなアパレルの紙袋を肩にぶらさげていた。以前取材した時、始まって3時間しか経っていない伊勢丹のセールをすでにチェックしていた長谷川のことだから、単独当日に下北沢をショッピングで流した可能性は十分にある。イオンの営業では一体どの店に向かうのだろうか。というか、あんな面白くてヌメヌメしたコントをやって、イオンの営業は入るのだろうか。