語らず、笑え

人生相談券付き落語会「噺家人生コレ落語」(お江戸日本橋亭)

落語家が己の人生をネタにするという趣旨に、ただただいい匂いを感じて日本橋へ。「詳細は絶対ネットに書かないように」という勧告のもと披露されたのは、三遊亭亜郎が前の師匠・小朝にいかにハマり、いかにしくじったかという栄枯盛衰や、夢月亭清麿による…

かまいたち 天竺鼠 藤崎マーケット同期ツアー(ルミネtheよしもと)

昨年、東京で2回目の天竺鼠単独を見て、既存のものを壊すスタイルには限界があるのかもしれないな、と勝手に感じていたら、今日の天竺鼠・川原はローラーシューズで登場するわ、漫才中にパンを食うわ、舞台から失踪するわ、ライブを観に来ていたパンサー菅を…

千鳥単独ライブ「大漫才師」(ルミネtheよしもと)

東京で行われた三回目の千鳥単独。漫才4本がどれも面白かったとか、新人時代の衝撃の漫才「百択」が姿を変えて戻ってきたとか、それなりの感慨はあるけれど、ネタよりも重要だったのは、興行の7割を占めた不景気芸人とのトークコーナーである。 大阪で売れっ…

第11回漫才新人大賞(国立演芸場)

漫才新人大賞。今年で11回目を迎えるこの大会は、常連出場者だったWコロンいわく「第1回は予選参加が芸人が8組で本選出場が6組」、ナイツいわく「自分たちが優勝した第2回は客が20人」という、ジャンルで分ければ「コンテスト」よりかは「会合」に近い公演…

グランジ・佐藤大プロデュース・エンターテイメントライブ・お笑い九龍城〜こんなお笑いライブがあってもいいじゃねえか!〜(ヨシモト∞ホール)

ちょっと完成度が高いライブがすぐ「伝説」呼ばわりされる昨今、昨年行われた「お笑い九龍城」はまごうことなき伝説のライブだった。というのも客席に悪寒が走る瞬間が肉眼で確認でき、その結果、主役であるグランジ・大の心も折れる殲滅ライブだったから。…

Get King Live(∞ホール)

渋谷に来たついでにふらりと寄って若手ライブを見る。こんにちは計画というコンビは、フレディ・マーキュリーがセーラー服を着て登場していた。I WAS BORN TO 出オチだ。 しかし何より目が離せないのは、メルヘン倶楽部である。可愛い女装で女子供のファンを…

漫才サミット(ルミネtheよしもと)

中川家・礼二が発起人となり、「面白い」と認めるナイツ、サンドウィッチマンを招集した腕利きばかりの漫才ライブ。ゲストに招かれたのになぜかトリを任された大阪若手のギャロップの「師匠に弟子入りを請う」漫才がとても面白く、看板の3組に期待して来た…

「東京vs大阪 若手芸人魂のネタバトル!!」

テンダラー単独ライブin浅草花月(浅草花月)

ネタがあって、ゲストとのトークコーナーがあって、ネタがあって、ゲストとのトークコーナーがあって、ネタで締める「単独ライブ教本」の例1に記されてるような、ベテランらしくムダな気負いが一切ない単独ライブ。言わずもがなテンダラーの漫才はえげつな…

5upよしもとゼロメンバー東京LIVE(ルミネtheよしもと)

ジャルジャル、モンスターエンジン、銀シャリなど、大阪でオナゴをヒーヒー言わせている若手が勢揃いし、東京での反応をうかがうライブ。とにかく目を引いたのが藤崎マーケットで、私のような芸人スコアラー(無所属・無給・無意味)は「千鳥のぼっけぇTV…

すずらん単独ライブ「冬眠するクマの横でハチミツをすする」(シアターブラッツ)

ボケを10準備して舞台に立つが、乱心した末、気がつくと100のボケを散らかしている、ようにしか見えないすずらん・山本。その数値にして90の「無謀」を期待して単独へ向かうと、10準備したものを10披露していく健全なライブだった。単独が終わって数週間。本…

トンファーvsタモンズ「新宿漫才死闘編」(シアターモリエール)

イキのいい若手2組が漫才で鎬を削る、東京吉本の局地的ヤングライオン杯。終わってみればタモンズが3戦3勝で、前回の興行から続けて6連勝へと記録を伸ばしていた。それほど実力差があるようには見えないので、トンファーはさぞかし悔しい思いだろう。 十数…

ガリットチュウとグランジ佐藤大のコントずかん(シアターブラッツ)

先輩が後輩のメシ代を払うという若手芸人セイフティーネットの恩恵に与りながら、その先にある法律の網目をくぐり抜けるグランジ・大。そんな頼もしい男の身元引受人を名乗り出るかのように、ガリットチュウが大を迎えてユニットコントに挑むライブ。 トーク…

シソンヌ単独「シャッセ」(シアターモリエール)

あまりシソンヌについては詳しくないけれど、きっと面白いだろうという予感に突き動かされて単独へ行ってみたら、真綿でじわじわ締めつけるような面白さに軽く昇天する。露骨に乳房の形状をしたスマートフォン「パイフォン」制作発表会見と、服屋に来店した…

上方落語九雀亭(亀戸文化センター・六階和室)

いちいちここに書き残していないけれど、ほぼ毎月通ってる上方落語会へ。演目は「厩火事」と「朝抹茶」。ゲストの小宮孝泰の落語「寝床」がただただウケようという気概だけで高座に上がっていて、これがとても面白かった。本業じゃないヤツが演じてるとか、…

『立川談志の正体』出版記念落語会(浅草ヨーロー堂)

快楽亭ブラック著『立川談志の正体』を買おうとしたら、出版記念落語会があるらしく、しかも入場料1600円で本までもらえるとのこと。なんだろう、この『猿岩石日記』を買ったら有吉弘行のトークライブを見れて、鹿砦社のジャニーズ本を買ったら嵐のコンサー…

囲碁将棋単独ライブ「2・五・歩」(ヤクルトホール)

毎回恒例のオープニングの茶番が一気に肥大化し、全部が全部、囲碁将棋の面白い漫才で占められるわけではない半ライス的単独ライブ。 今回の白眉は漫才が終わってエンドロールが流れる中、舞台に現れた畑中しんじろうである。美しい演舞を本当に何の意味もな…

東京吉本若手漫才協会本公演(恵比寿エコー劇場)

東京吉本若手漫才協会とは、私の勝手な想像によれば、若手芸人に流れ込むエネルギーと金をかき集めて「M-1」以降の漫才の新しい方向を作ろうとしたものの、「THE MANZAI」立ち上げによりその目的がウヤムヤになり、今は会長職を務めるロシアンモンキー・中須…

ジャルジャル10年目突入 Special Live「ジャルりまくってんじゃねぇよ!!!」(東京国際フォーラムCホール)

1500人収容する大会場でのジャルジャルライブ。当日券目当てで開演1時間前に会場へ到着するとはたして長蛇の列が。「さすがジャルジャル・・・・・・。入れなかったらどうしよう?」と並ぼうとすると、列と接続してない地点の関係者から「当日券はこちらです」の声…

サタデーナイトネタライブ(5upよしもと)

仕事で大阪へ行ったついでに、強引に劇場へ立ち寄る。昨年末の『オールザッツ漫才』も未見のまま(私の知らない間にアイロンヘッドがブレイクしていないか不安だ)、一年ぶりに覗いた若手発・中堅着のライブは充実の一言で、どういうわけか特に若手は昭和テ…

グランジvsラバーガール(ヨシモト∞ホール)

「グランジvs○○」とは、見た目のいかつさから東京吉本の武闘派、もしくは若手芸人界の黒社会という印象の強いグランジが、他事務所のコント芸人たちに次々と因縁を仕掛けることなく意外に柔らかい物腰で迎え入れ、結果、ツイッターでフォローしあう程度の絆…

Get King Live(ヨシモト∞ホール)

∞ホールの前を通ると、1000円弱の当日券で30分しか見れなかった若手のショーケースライブが1200円で1時間半に。200円弁当ですらクーポンで買い叩くクールな私はさっそく入ってみる。 ライブは20組の若手が続々ネタをかます構成で、それだけでシアターDで若…

ファイヤープロレスリング2(よしもとプリンスシアター)

よしもとプリンスシアター閉館のこの日、さよならイベントをやるわけでもなく、なぜか行われたプロレス者芸人集合イベント。ゲストの天龍は話が達者で、アントニオ猪木、ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、長州力、前田日明について忌憚なく語り、9褒めて1貶…

Live ”back for more”〜小籔千豊氏立会いの元、歌ネタを検証・解説・反省そして発展させる夜〜(よしもとプリンスシアター)

タイトルに惹かれて行くと、ホテル利用客をも満足させるエンターテイメントを目指して行われていた興行「ステージマンショー」の歌ネタを集め、小籔千豊、麒麟・川島、バッファロー吾郎Aに一声もらうというライブ。 各自がやりたい放題の中で、目に余る狂気…

GO!ヒロミ44’の帰ってきた漫談日本一決定戦2011 秋の陣(池袋手刀)

やんごとなきお方に酷似した人物に扮したたおネタが、お動画サイトに流れたため、全国の右関係者(東日本という意味ではない)からただらないバッシングを絶賛受信中の殿方充。ホームグラウンド的なライブ「苦肉祭」を充電でしばらく休むと聞き、しばらくそ…

グランジ・佐藤大プロデュース・エンターテイメントライブ「お笑い九龍城 こんなお笑いライブがあってもいいじゃねえか!」(よしもとプリンスシアター)

そろそろよしもとプリンスシアターが閉館するタイミングで、このイベント名を知った時、不良高校に吹き荒れる教師へのお礼参り、通称“春一番”を連想したのは私だけではあるまい。当初は舞台に上がる芸人にもドレスコードがあった劇場で、リーガル芸人(法学…

DEKASEGI vol.3(新宿Fu-)

福島県在住芸人によるイベントへ。被災地のことを忘れてはいけないと考えてるくせに、最近何も取り組んでいない鬱屈から、罪滅ぼし気分で会場に向かう私は不毛な存在だなと思いながら。 後半、営業先で必ずウケる芸を検証するコーナーで、福島芸人の口から出…

東京吉本若手漫才協会(よしもとプリンスシアター)

東京吉本漫才協会とは、M-1以降の漫才を牽引するために作られたものの、旗揚げ公演で会長・副会長として協会を牛耳るロシアンモンキーがピカピカにスベり、その後も参謀的存在のLLRが暗黒世界への扉を開くようにスベり、結果、最近は客が「今日はどんな血…

トップリード単独ライブ「二日坊主」(笹塚ファクトリー)

千鳥のノブが見ていたら「クセがすごい」そっくりのトーンで「オチがすごい」と言うだろうなと想像した。雑誌に原稿を書くかもしれないので、感想はこの程度で。念のため記しておくと、オチがすごい。

横須賀歌麻呂 裏DVD発売記念ライブ(四谷アウトブレイク)

ネタ中における下ネタ率を我が家を10、ケーシー高峰を50とするなら、手元にデータがなくても何の迷いもなく「100」と断言できる芸人・横須賀歌麻呂。最近、殿方充が普段通りの気さくなネタをwebにあげて全国民を激昂させたことで、「カルト芸人の敵は記録」…