2008-01-01から1年間の記事一覧

ナイツ「21世紀大ナイツ展」(シアターモリエール)

デビュー以来の、幻のコント期→毒舌漫才期→漫才コント期→野球漫才期→現在の言い間違い漫才までをネタでたどる考古学ライブは、1時間半3000円の単価も納得の濃縮度。これまでの名作をつぎ込んだ言い間違い漫才4連発も既視感であふれているのに、情報量が多く…

世界のナベアツ 追加公演(ルミネtheよしもと)

誰がどう見ても売れかけて多忙の渡辺鐘は、顔の血色が悪く、目は血走っていて、後半につれて声が涸れだすなど、39歳らしい疲労ぶりをありありと露呈。しかし疲れがいい具合に脳の箍(たが)をはがしたのか、ネタは狂気全開の絶好調モードで拝みたくなるよう…

井下好井vsタモンズ エリートヤンキー前説争奪戦(シアターブラッツ)

お誘いを受けてシアターブラッツへ。イベント名を見ただけでは何のライブかよく分からないと思うが、東京吉本の若手芸人であるエリートヤンキー単独公演の前説権をめぐって、井下好井とタモンズが争うライブである。そしてお笑いファンには改めて説明するま…

立川談笑月例独演会(お江戸日本橋亭)

冒頭の枕が結構ずぶずぶのまま1時間も続いたせいか、肝心の噺「ぞろぞろ」「青菜」でところどころ寝てしまった。こんな私にとやかく語る資格などない。それはそれとして「デカい図体」「早稲田大学卒」「顔の系統が同じ」「異端児の天才」の要素が重なって、…

大秒殺(日比谷野外音楽堂)

注目芸人から若手まで100人の芸人が集まって4時間も一発ギャグに明け暮れるお祭りイベント。芸人の圧倒的な質量、開放感あふれる大会場、荒れた天気が開演直前に収まる奇跡などが重なり、イベントが盛り上がることに何ひとつ疑問を抱かなかったが、蓋を開け…

ダイアン単独ライブ「トウキョウダイアン」(シアターブラッツ)

漫才6本にトークコーナー2つという中身の濃いライブは、どれも面白い漫才が続く中、「相撲を知らない西澤が津田に競技の説明を求める」ネタが衝撃の出来。ライブの幕間映像ではちょくちょく「年末に1000万円を獲る」ことを主張していたが、本当に大金を稼ぐ…

ライス単独ライブ「サボコ」(北沢タウンホール)

メディア露出がほとんどないのにもかかわらずチケットがほぼ即完売、そして会場には女子がむせ返るライスの単独へ。相変わらずコントはクセのある変化球ばかり投げてストレートを一球も放らなかった印象で、球種に溺れて地味な中継ぎ投手の道へ向かわなけれ…

「アメトーーク」と実話GONナックルズが夢のコラボ! 「黒社会芸人」

2003年6月21日、4500人の観客が集まった「ダイナマイト関西」大阪府立体育会館大会。バッファロー吾郎・木村は「この大会までにデビューから14年もかかった。それもオレらの目の前をチンタラ走るバカがいたからだ! 決着つけてやるよコノヤロー」と雨上がり…

ダイナマイト関西2008 ルミネtheよしもと予選(6)(ルミネtheよしもと)

予選大会優勝者の顔ぶれを見て、「ほとんどが漫才じゃなくて”コントの国の住民”だなー」と思っていたら、決勝戦はキングオブコメディのコンビ対決に。両者とも全試合で太い笑いをおこし続けた挙句、今野以上の安定感を見せた高橋が優勝し、見事に痴漢容疑の…

ものまねプロレス祭2008 まねんのか!(後楽園ホール)

太田プロを中心にプロレス偏愛芸人が集まり、リングの上で中学生レベルの死闘を繰り広げる真夏の祭典。詳細はこちらに。 お笑い&プロレス好きの心を満たす莫迦々々しい試合が続く中、特に心をくすぐられたのが寺門ジモンの対戦だった。後輩芸人たちをなぎ倒…

中川家の寄席(新宿末広亭)

いつも客の雰囲気がよく中川家も常に面白いという、ものすごい斬新なたとえをすると宝物のような漫才ライブ。この日は昭和のいる・こいる師匠をゲストに迎えたが、礼二は次回呼びたいゲストとして鉄道ものまね界の先頭車両こと立川真司を猛プッシュ。「鉄道…

ダイナマイト関西2008 ルミネtheよしもと予選(5)ノンジャンル予選(ルミネtheよしもと)

芸人以外の職業を集めた大喜利戦士12人によるトーナメントの決勝は、「ザ・ギャグ」とでも言うべき構造のはっきりした力ある回答をバシバシ投じるせきしろvs輪郭がはっきしなくて面妖だけど豪快に笑える回答を量産するレオちゃんという全く違うタイプによる…

オールナイトピンク寄席〜オール下ネタ大進撃!〜(ルミネtheよしもと)

イベント名が全てを物語っていて、それ以上つけたす言葉が一言も見当たらないイベント。東西やら多忙やらの枠を超え、当然のようにシャンプーハット・小出水、ケンドーコバヤシ、すっちー、増谷キートンなど、下ネタの向こう側にあるコクのあるエロスを提示…

第一回ギャグ漫画家大喜利バトル(阿佐ヶ谷ロフトA)

世間では「画力のある者が大喜利を制する」と囁かれ、先日の『ダイナマイト関西』大阪予選では和田ラヂオが優勝。そんな矢先にギャグ漫画家による大喜利イベントが行われるのだから「これは大喜利界に地殻変動が起きるのではないか?」という予感が満ちるの…

かたつむり単独ライブ「粋舞」(シアターブラッツ)

誘われて予備知識もないままかたつむりの単独へ。客にマイクを持たせて漫才したり、舞台ではなくて場内入口で漫才したり、企画コーナーと見せかけたコントをやったりと、「東京シュール5」にも参加しているらしいからいくらでも「実験的」「メタ」の臭いが…

ワンコインライブ「村上ショージ独演会」(ルミネtheよしもと)

村上ショージの独演会がなんと500円で見れるというのでルミネへ。まず出てくるなり「500円でも高いかもしれません。ごめんなさい」と何度も頭を下げ、独演会を謳っているのにかかわらず開演3分でぜんじろうと作家の諸岡立身を呼びこむ。そして発した言葉が「…

漫才米騒動(シアターD)

約2ヶ月おきに開催されるたびに、主催者であるエルシャラカーニと、テレビ露出が増え始めたオードリー、ナイツ、マシンガンズとの格差が急速に拡大。売れて旬に突入していく若手はいかに体に脂がのっていくのか、そして「このライブは負け犬集めるのがコンセ…

東京コントメンvol.1(タイニイアリス)

THE GEESE、ラバーガール、チョップリンなど、実力派コント師が新宿3丁目の小さな劇場に揃い踏みし、ひっそりと行われたしんみりと豪華な地下ライブ。新人発掘コーナーに登場したおそらく舞台経験数回の若手が、未熟さを隠すように暗転しまくりのコントをし…

囲碁将棋単独ライブ「ステゴマワライスキー」(シアターブラッツ)

囲碁将棋の初単独は60分漫才。Wボケなのにそうは見えないし、もっと言うなら漫才ではなくただの立ち話にしか見えなくて、それなのに確実に面白い謎のコンビ。二人の関係性、役割が全くフラットなのだ。なんだろうあの特徴のない面白さは。まだ囲碁将棋のこ…

ダイナマイト関西2008 ルミネtheよしもと予選(4)(ルミネtheよしもと)

お待たせしました! 恒例の「ダイナマイト関西」全回答レポ&評論で〜す。今日もルミネは芸人と観客がペンを握ってのメモ合戦で盛り上がりましたよ。お笑いを愛するゆえ、辛口になるのはご容赦のほどを! 第1回戦 「河童の国の人だもの」アンガールズ・山根…

カルパチーノLIVE #1「孤独」(スーパービッグシアター東新宿Wow!)

baseよしもと期待の星だったのにその座を離れ、どういう事情か東京で精力的に活動しているカルパチーノの単独へ。着想が鋭い漫才・コントはどれも5分足らずで、さらに全編も1時間で終了するという、若手の初単独にしては「やりたいこと全部詰め込みました」…

tryワラb(4)一次予選(baseよしもと)

大阪で仕事していたらうまいこと時間が空いたのでbaseへ。元・高校デビューの佐竹が新たに組んだコンビ・ガトリングガンがブラックマヨネーズそっくりの漫才をしていて衝撃を受ける。10年以上も昔、お笑いを目指す新人は最初ダウンタウンや海砂利水魚の漫才…

ダイナマイト関西2008 一般予備予選・東京(∞ホール)

WEB予選を通過し、回答者として参加する。ひとりよがりな回答でスベったりウケたりして、白日の下に自分の突出してないお笑いレベルをさらす週末のエレガントなひと時。恥もかいたけど楽しかった。参加した70数名も思ってるはずだ。「やることはやった。あと…

ダイナマイト関西2008 ルミネtheよしもと予選(3)(ルミネtheよしもと)

一般予備予選を終え、カラカラに干上がった脳をビールで潤してからルミネへ。ずん・飯尾が入場してきた瞬間、別に過剰な思い入れもないのに、気がつくと大リーグファンのようなテンションで私は「ウオー」と叫んでいた。きっとはしゃいでいたんだ。この日は…

チョップリン銀座の夜(銀座小劇場)

大阪を拠点に活躍するコント師・チョップリンによる東京出張ライブ。見るたびに小林の気持ち悪さがにじみ出ているようで、そのキャラクターが強調された「いたずら電話」や「恋するホモカミ」が秀逸。よく若手が単独でやるホモコントはコンビ愛の延長が禁断…

大喜利寺子屋〜ノンジャンルトーナメント〜(阿佐ヶ谷ロフトA)

芸人から会社員まで大喜利を得意とする兵(つわもの)8名が集い、雌雄を決するワンナイトトーナメントへ。というのも飲み友達であるTスポ・M本さんが参加するというのだ。 1対1の完全に『ダイナマイト関西』を模したバトル形式は非・芸人には荷が重いのか…

ダイノジの爆笑新ネタカレーライス寄席(中目黒ウッディシアター)

総勢15組が出演する大部屋俳優ライブ。ツーナッカンのネタ、来八のボケ担当・小林のキャラ、文学座出身らしいジャングルポケット・斉藤のおぞましさなど、見所が数ある中、目が離せなかった芸人が二人いた。それはダイノジ・大谷への腰巾着キャラをいじられ…

百式2008(ルミネtheよしもと)

毎年恒例になった2丁拳銃の100分漫才へ向かうと、見るたび確実に増えているツッコミ・修士のボケ比率は全体の半分にまで迫って、いよいよ小堀のボケと”拮抗”の様相に。それでいて本人からボケたがりの気質がほとんどうかがえないのが不思議だ。「百式」「50…

MAE AGE LIVE(ヨシモト∞ホール)

渋谷に用事があったついでに30分500円の若手ライブへ。スリムクラブはコント中に「シャブ中」「ホモの本場はアメリカ」の言葉が飛び交い、劇場徒歩3分の交番からいつ警官が飛び出してもおかしくない白昼夢すぎるネタで、そして札幌吉本上京芸人のすずらんは…

大喜利のお題に早押しで即答するクイズ研究会

ダイナマイト関西2008制作委員会からWEB一次予選通過のメールをもらった。 もしこれが手のこんだイタズラか、もしくはネットでお笑いについてピーチクパーチクさえずっている悪食を一同に集めて網にかけ、猿島界隈に流してしまう壮大な計画でなければ、私は7…