桂三度の落語の会(シアターD)

「ダイナマイト関西vsギャグ漫画家大喜利バトル」を途中で抜け出して、桂三度の落語会へ。今さら説明するまでもないが、渡辺鐘改め、世界のナベアツ改め、桂文枝に弟子入りした桂三度である。会では師匠の落語1席と自作の落語5席を。こんな鬼才が新作落語を…

ミルクプロレス(シアターブラッツ)

「ミルクプロレス」とは、ミルククラウン・ジェントルをエースに擁し、「女子が引かない、痛くなさげなプロレス」をコンセプトに立ちあがった、地下よりなおも深いマントルプロレス団体である。 と偉そうに書いてみたものの、私も伝え聞いただけで詳細は知ら…

シソンヌ単独ライブ 「ジュテ 〜片足で踏み切って跳び他の足で下りるパ〜」(北沢タウンホール)

前回、衝撃を覚えたシソンヌの単独へ。立ち見なので北沢タウンホール後方の吹きだまり空間に案内されたら、まあ芸人がいるわいるわ。今からこの場でシアターDで21時から始まる「漫才広場」が行われるのかと思った。 さて単独ライブ中、その芸人たちがとても…

「東京vs大阪 若手芸人魂のネタバトル」「東京vs大阪 若手芸人炎のトークバトル」(北沢タウンホール)

大阪若手が数組出演する、2公演連続ライブへ。プリマ旦那・野村が漫才で見せる宮迫博之系の達者さ&何回見ても見慣れることがない私服のざわつくニュアンス、ガヤの中にいるGAG少年楽団・宮戸の的確すぎる振舞い、以前ルミネの舞台で結構な歓声が上がったの…

人生相談券付き落語会「噺家人生コレ落語」(お江戸日本橋亭)

落語家が己の人生をネタにするという趣旨に、ただただいい匂いを感じて日本橋へ。「詳細は絶対ネットに書かないように」という勧告のもと披露されたのは、三遊亭亜郎が前の師匠・小朝にいかにハマり、いかにしくじったかという栄枯盛衰や、夢月亭清麿による…

かまいたち 天竺鼠 藤崎マーケット同期ツアー(ルミネtheよしもと)

昨年、東京で2回目の天竺鼠単独を見て、既存のものを壊すスタイルには限界があるのかもしれないな、と勝手に感じていたら、今日の天竺鼠・川原はローラーシューズで登場するわ、漫才中にパンを食うわ、舞台から失踪するわ、ライブを観に来ていたパンサー菅を…

フォロワーの数と自分を尾行している公安警察の数が一致

これまで津田大介の軍門には下るまいと閲覧だけしていたツイッターにツイートするようになってしまいました。 私の場合、身を置く理由は「長文を書く体力が落ちた」以外に見つかりません。 バット強く握ってバット強く振って、早く多摩川グラウンドから抜け…

千鳥単独ライブ「大漫才師」(ルミネtheよしもと)

東京で行われた三回目の千鳥単独。漫才4本がどれも面白かったとか、新人時代の衝撃の漫才「百択」が姿を変えて戻ってきたとか、それなりの感慨はあるけれど、ネタよりも重要だったのは、興行の7割を占めた不景気芸人とのトークコーナーである。 大阪で売れっ…

第11回漫才新人大賞(国立演芸場)

漫才新人大賞。今年で11回目を迎えるこの大会は、常連出場者だったWコロンいわく「第1回は予選参加が芸人が8組で本選出場が6組」、ナイツいわく「自分たちが優勝した第2回は客が20人」という、ジャンルで分ければ「コンテスト」よりかは「会合」に近い公演…

集英社の総合誌「kotoba」の不定期連載「無名の名・芸人伝」で(運よく第2回目に!)福島県在住芸人・母心を取り上げてます。 「福島芸人による出稼ぎライブ」の触れ込みに惹かれて下北沢の劇場を覗いたのが昨年の今頃。原発ネタに衝撃を受け、福島県出身で…

グランジ・佐藤大プロデュース・エンターテイメントライブ・お笑い九龍城〜こんなお笑いライブがあってもいいじゃねえか!〜(ヨシモト∞ホール)

ちょっと完成度が高いライブがすぐ「伝説」呼ばわりされる昨今、昨年行われた「お笑い九龍城」はまごうことなき伝説のライブだった。というのも客席に悪寒が走る瞬間が肉眼で確認でき、その結果、主役であるグランジ・大の心も折れる殲滅ライブだったから。…

「おまえは今まで食ったパンの数をおぼえているのか?」と山下清画伯に問うディオ

しばらくの間、ふなふなと原稿を書いてました。今も書いてます。ライブにはそれなりに行ってるので、のらりくらり(技巧派のベテランのみに許される表現)まとめていこうかと。興味ある人はたまにさかのぼって読んでもらえれば。 最近した仕事を敬称略で。 …

Get King Live(∞ホール)

渋谷に来たついでにふらりと寄って若手ライブを見る。こんにちは計画というコンビは、フレディ・マーキュリーがセーラー服を着て登場していた。I WAS BORN TO 出オチだ。 しかし何より目が離せないのは、メルヘン倶楽部である。可愛い女装で女子供のファンを…

漫才サミット(ルミネtheよしもと)

中川家・礼二が発起人となり、「面白い」と認めるナイツ、サンドウィッチマンを招集した腕利きばかりの漫才ライブ。ゲストに招かれたのになぜかトリを任された大阪若手のギャロップの「師匠に弟子入りを請う」漫才がとても面白く、看板の3組に期待して来た…

「東京vs大阪 若手芸人炎のトークバトル!!」(シアターモリエール)

どういう基準で選ばれたのかよく分からない東京と大阪の若手各4組が、勝って何を得るのか分からない状況で雌雄を決する血みどろ必至のライブ。 私のお目当ては大阪の若手で、男女コンビ・シンクロック・木尾の如才のなさ、アイロンヘッドの伝統芸能「拳の舞…

「東京vs大阪 若手芸人魂のネタバトル!!」

テンダラー単独ライブin浅草花月(浅草花月)

ネタがあって、ゲストとのトークコーナーがあって、ネタがあって、ゲストとのトークコーナーがあって、ネタで締める「単独ライブ教本」の例1に記されてるような、ベテランらしくムダな気負いが一切ない単独ライブ。言わずもがなテンダラーの漫才はえげつな…

5upよしもとゼロメンバー東京LIVE(ルミネtheよしもと)

ジャルジャル、モンスターエンジン、銀シャリなど、大阪でオナゴをヒーヒー言わせている若手が勢揃いし、東京での反応をうかがうライブ。とにかく目を引いたのが藤崎マーケットで、私のような芸人スコアラー(無所属・無給・無意味)は「千鳥のぼっけぇTV…

「写真で一言」大喜利に使われる、マンガのように頭を抱える斑目春樹画像

先日、NHKスペシャル「3.11 あの日から1年南相馬〜原発最前線の街で生きる〜」を見ていて、ずいぶんザワザワする作りだなと思ったら『ヤノマミ』の国分拓ディレクター&菅井禎亮カメラマンだった! ナレーションが田中泯じゃないから気がつかなかっ…

すずらん単独ライブ「冬眠するクマの横でハチミツをすする」(シアターブラッツ)

ボケを10準備して舞台に立つが、乱心した末、気がつくと100のボケを散らかしている、ようにしか見えないすずらん・山本。その数値にして90の「無謀」を期待して単独へ向かうと、10準備したものを10披露していく健全なライブだった。単独が終わって数週間。本…

酢もの食う人びと

集英社の雑誌『kotoba』で、「無名の名・芸人伝/コラアゲンはいごうまん」というノンフィクションを書いてます(「無名の名・芸人伝」は一応、不定期連載の枠に滑り込んでる模様)。 どんな媒体であれ、自分が書くものは編集者と読者を満足させる「仕事」だ…

トンファーvsタモンズ「新宿漫才死闘編」(シアターモリエール)

イキのいい若手2組が漫才で鎬を削る、東京吉本の局地的ヤングライオン杯。終わってみればタモンズが3戦3勝で、前回の興行から続けて6連勝へと記録を伸ばしていた。それほど実力差があるようには見えないので、トンファーはさぞかし悔しい思いだろう。 十数…

ガリットチュウとグランジ佐藤大のコントずかん(シアターブラッツ)

先輩が後輩のメシ代を払うという若手芸人セイフティーネットの恩恵に与りながら、その先にある法律の網目をくぐり抜けるグランジ・大。そんな頼もしい男の身元引受人を名乗り出るかのように、ガリットチュウが大を迎えてユニットコントに挑むライブ。 トーク…

シソンヌ単独「シャッセ」(シアターモリエール)

あまりシソンヌについては詳しくないけれど、きっと面白いだろうという予感に突き動かされて単独へ行ってみたら、真綿でじわじわ締めつけるような面白さに軽く昇天する。露骨に乳房の形状をしたスマートフォン「パイフォン」制作発表会見と、服屋に来店した…

上方落語九雀亭(亀戸文化センター・六階和室)

いちいちここに書き残していないけれど、ほぼ毎月通ってる上方落語会へ。演目は「厩火事」と「朝抹茶」。ゲストの小宮孝泰の落語「寝床」がただただウケようという気概だけで高座に上がっていて、これがとても面白かった。本業じゃないヤツが演じてるとか、…

『立川談志の正体』出版記念落語会(浅草ヨーロー堂)

快楽亭ブラック著『立川談志の正体』を買おうとしたら、出版記念落語会があるらしく、しかも入場料1600円で本までもらえるとのこと。なんだろう、この『猿岩石日記』を買ったら有吉弘行のトークライブを見れて、鹿砦社のジャニーズ本を買ったら嵐のコンサー…

新番組『暗躍芸人! ブローカー』の司会は当然のようにミドル田カウス師匠

大阪在住のOさんが年末年始に録画した関西番組のDVDを送ってくれたのである。『オールザッツ漫才』『八方・今田の楽屋ニュース』『復活!!すんげー!BEST10』。封筒を開けた瞬間、宝石が入ってるのかと思った。よく見たら指輪の形をしているキャンディだった…

囲碁将棋単独ライブ「2・五・歩」(ヤクルトホール)

毎回恒例のオープニングの茶番が一気に肥大化し、全部が全部、囲碁将棋の面白い漫才で占められるわけではない半ライス的単独ライブ。 今回の白眉は漫才が終わってエンドロールが流れる中、舞台に現れた畑中しんじろうである。美しい演舞を本当に何の意味もな…

南極100号、それは木の洞

文書を整理していたら、2011年8月12日の「レイザーラモンRGがアイドルにひたすらネタを見せるライブ(秋葉原HDXシアター)」の書きかけのメモが残っていたので、結びだけ変えて今頃更新してみる。確か書きながら「震災後に俺は何を見てるんだろう? 何を書い…

上からマリコ。揺りかごから墓場までアリコ

今出ている『プレジデント』で松江哲明監督の新刊インタビュー記事を書いて、『ケータイよしもと』でエリートヤンキーのロングインタビューしてます。『プレジデント』は短い文字量の中にいろんな要素を詰め込んで、ライターらしい仕事ができたと自負してい…