2007-01-01から1年間の記事一覧
この数ヶ月、毎回2本のネタを月2回かけてきた漫才ハードツアーの打ち止めライブ。十数組出演した中で目を見張るような新機軸はなかったが、ひとつの謎を4分間延々と引っ張る手法をモノにしたカナリアの安達がM-1用に隠し玉を持っていそうな気配がして大変気…
なぜか今、私の関心をひきつけてやまないキングコング・西野の独演会に潜入する。小粒な話を滔々と重ねていく様は独演会というより、バイエルの小曲を延々と奏でるピアノ発表会のようだった。全てを見終えて私の胸に浮かんだ一言は「古い」。もちろんファン…
ビッキーズが解散した。2003年のbaseよしもとオフィシャルブック『B面03』(ぴあ発行)を紐解くと、こんな発言が載っている。 須知「周りの芸人がメディアの仕事増えていくのに、僕らには何もなかったもんな。だから月に1度の『ガブンチョWAR』だけは1位取…
早くも今年度バラエティ番組の最高傑作との呼び名が高い『リンカーン』の「世界ウルリン滞在記」。ゲイのマーチングバンド編&練馬の極悪ラッパー編の面白さを友人と振り返っていたら、「あれって『元気が出るテレビ』そのものだよな!」と指摘される。あま…
新聞のテレビ欄を見ていたら、芸人界の野村サイボーグ工場『エンタの神様』に「Pパン」の文字が! 人力舎の若手・ピーナッツパンが出るのだろうか。あんな健やかな漫才をする女性芸人が早くも毒牙にかかるなんて……。絶対に番組は「これも入れると美味しいか…
大谷晋二郎からしこたま胸板にチョップを入れられ、アン・ジョー司令長官にスキあらば小突かれ、骨肉を砕かれては細かく刻まれ、挙句は三枚に下ろされたRG。それは膾(なます)以外のなにものでもなかったけれど、瀕死の小魚が懸命に全身をひくつかせる姿は…
まず特記すべきはお台場で終演時間が23時半だったこと。23時を過ぎた頃から会場には都心なのに山中で日が暮れだすのと同等の不安感が立ちこめ、決勝ではいつも会場を支配する「どうかこのまま戦いが終わらないように……」という多幸感はほとんどなく、「早く…
演目は「バールのようなもの」「八五郎出世」と来て、凡作のためこれまで演者が誰もいなかったという円朝の「政談月の鏡」に。それもサスペンス風に仕立て、志の輔が大好きなドラマ「24」の仕掛けまで盛り込んでいた。もちろん落語の世界にテロはなく、日本…
竹内義和が動いているところを初めて見た。数々のゴシップを見てきたかのように語る姿に「”2ちゃんねる”そのものにアバターが必要なら、この人を起用すればいい」と思った。
完全に気のふれた世界観の「チーズおばさん」、ただ倖田來未のモノマネをやりたいだけの「クミ先生」、大阪の朝ラジオの雰囲気を模写した「まいど、西村竜平です!」が絶品。「まいど…」では、人生幸朗師匠→川藤幸三の系統が見え隠れする、大阪特有の言いっ…
なんと毎日内容異なる内容だった3日連続興行の最終日へ。「食わず嫌い王」や「エヴァ」をいいように利用しながら筋を運びつつ、最後はマッスル坂井の内面というあやふやな設定の中、坂井と飯伏幸太がいつものスローモーションや凝った仕掛けに頼らないまっさ…
残虐時代劇マンガの『シグルイ』を読んでたら、どう見ても『コージ宛』にしか見えないコマが出てきた。この後にムジナとか登場したら、嫌だなと思う。 ところで今月号の『マンスリーよしもと』の21Pに掲載されているチーモンチョーチュウ・菊地のコラムは必…
記憶が確かならば、象さんのポットが立ち上げた事務所・ブッダストーンのライブ以来、15年ぶりに浅草木馬亭へ。ぬるい缶ビールを傾けながら矢野・兵動の漫才に見とれる。 その漫才は大統領と総理大臣の二権力が存在する国のようで、兵頭の完成された漫談だけ…
いま私が読んでいてもっとも得体の知れない感情にとらわれるのが、キングコング・西野のブログである。そのタイトル「西野公論」からして既に100点なのだが、達観風の文章で「芸人はカッコいい職業なんです」「僕はもっとオモロい人間になりたいんです」「い…
柳家喬太郎の「ハワイの雪」にダイノジがカメオ出演したり、3人で三題噺に興じたりとお祭り要素の濃い舞台。数分で構想を練った喬太郎の三題噺「浅草・職人・ホームラン」が面白いうえにずんずん進むものだから、その落語脳の鋭さに怖さすら感じた。 それに…
噺の骨子を器用なんだか強引なんだか分からない手腕で現代に骨髄移植する談笑の”改作落語”。今頃になってその存在に衝撃を受け、いそいそと独演会へ。主人がやたら嗜虐趣味の「紙入れ」や、社長がカラオケに狂う「寝床」など4席。 今回は何よりも枕が過激で…
新聞のユーモア風刺欄に投稿したいけど掲載されそうにないのでここに書きます。 ・ライス国務長官に「マダム・スシと呼んで」と自己紹介した小池百合子が皇太子を指差して「あれがスシ王子よ」(墨田区・わらしべ長者) ・中華航空機代大炎上。最後に脱出し…
相方のキングオブコメディ・高橋が痴漢容疑で荒川署にしょっぴかれたトラウマなのか、唐突に東京北部の北区・王子で開催された今野のソロライブ。ネタの類は一切なく、奇才・今野が考えたにしてはぬるい、というよりひどくひんやりとしたゲームコーナーを2時…
吉本新喜劇の座長・小籔千豊が東京来襲する数少ない舞台であり、昼の『いいとも』でFUJIWARAがライブを告知し、ゲストにヒューマンビートボクサーのAFRAを迎えて準備は磐石ながら、客入りが約6割という衝撃的な吸引力のなさ。人がごった返していたのは関係…
演劇人や文化人が3日間にわたって下北沢再開発を反対する「SIMOKITA ART LIVE」の締めくくりイベント、でありながら、すごいことに出演者全員が再開発に関する細かい知識がなく、トークを仕切る人物も不在で、対抗策もノープランだったため、客の心に「これ…
仕事もなく暑さにひからび、夏の真ん中に放り出された私は午後の長い時間を裾上げするために演芸場へ。売れない芸人を主人公にした神田愛山の私小説講談「べら」は、全自由業者の心に染みわたる薄暗い内容で、両国亭のつつましい冷房以上の効き。体温を35℃以…
清水宏のワケの分からなさを目撃するため、野音に1000人以上の観客が集結。ライブのほとんどは、おそらく1時間以上に及んだ「ヒップホップのコンテストに見よう見まねで挑み、結果討ち死」の体験トークで、このすべらない話が絶品。深夜ラジオでパーソナリテ…
ケンドーコバヤシの元相方である村越周司。古くに芸人からは足を洗ったが、今もなお得意のギャグの世界だけお笑い界に片足を突っ込んでいる。その活動は村越のサイト「もうギャグしかしない」で確認可能で、関西を中心としたライブイベント、DVD販売、まさか…
なんとなく行く機会を逸していた島田洋七と若手ゲストによるトークライブ。今回、最終回にくわえてゲストが爆笑問題ということでいよいよ腰を上げる。とにかく驚いたのは、正直な話ロートルだと思っていた島田洋七の流麗すぎる話芸。57歳であんな水が流れる…
参院選の東京選挙区。火の不始末を起こし同居人を全焼させた丸川珠代は自分だけ助かり、同じマンションの別フロアに住んでた川田龍平になぜか保険が全額下りた感じ。だから丸川はいつだって赤いスーツを着て紅蓮の炎に包まれていたのだ。それにしても丸川が…
10日の興行を通してすず風にゃん子・金魚は同じネタをかけるらしく、今日も寿司屋のネタ。でありながら若干の微調整をほどこしながら、連日最前列に座る客に対しては「あんた、いつもいるかからやりずらいのよ!」と堂々といじっていて、大層しびれる。そし…
古今亭菊志んがずいぶんと達者で、しかも『あくび指南』を終えた後、高座を去る時の横顔が怒りを漲らせるようでもあり、それでいて「やってやった」感をほのかに漂わせる、関西芸人言うところの見事な”どやッ!? 顔”。さらに驚いたことに、客席でこの不敵な…
トリの柳家喬太郎見たさに寄席へ向かうと、すず風にゃん子・金魚の漫才にたいそう心をつかまれる。FUJIWARA・原西のマッチョなギャグ魂を原西の母の肉体に注入させた風な、生活力が取り柄(鈴々舎馬風一門サイトの紹介文から抜粋)のボケの金魚と、大阪吉本…
配達で読んでいる東京新聞で7月から「ちびまる子ちゃん」の連載が始まった。七夕の日、お父さんがまる子相手に「ひこぼしなんて気楽さ。ヨメの顔なんて1年に1度で十分!」と暴走していたら、お母さんがそれを聞いていて二人がドキッ!(完)……という話を見た…
難解ではないけれど単純でもない、3手詰めの詰め将棋を思わせる東京ダイナマイトの笑いをコントオンリーで2時間。一番笑ったのは幕間映像の「Dynamite将棋」で、ハチミツと松田の将棋が白熱してくると盤の上で「李」の駒や歯磨き粉やミニカーや天むすや噛み…